従業員が増えると動きが遅くなる理由と対処法
従業員が10人を超えたあたりから、「人が増えたのに動きが遅くなった」という相談が増えます。創業期は社長の判断で全てが動いていたのに、組織が大きくなるにつれて意思決定に時間がかかるようになる。これは多くの成長企業が経験する問題です。
役割の曖昧さが判断を止める
組織が小さいうちは、役割が曖昧でも「誰かがやる」で回ります。しかし人数が増えると、「これは誰の仕事か」が不明確な業務が増え、判断が止まります。特に部門をまたぐ業務や、新しく発生した業務に対して、誰が決定権を持つかが明確でないと、確認のための確認が繰り返されます。
対処法は、役割と決定権の範囲を文書化することです。全ての業務を網羅する必要はありません。よく止まる判断、よく揉める判断について、誰が最終決定者かを明確にするだけで、動きが変わります。
情報が人を経由しすぎている
組織が大きくなると、情報が人を経由して伝わる過程で遅延と歪みが生じます。現場の情報が経営者に届くまでに3段階を経ている場合、情報の鮮度と正確性が落ちます。
情報共有の仕組みを見直すことが必要です。週次の定例報告に加え、重要な情報が直接関係者に届く仕組み(プロジェクト管理ツールの活用など)を整えることで、情報の流れを改善できます。
会議が「報告の場」になっている
成長企業でよく見かける問題の一つが、会議が報告の場になっていることです。各部門が順番に報告し、質問を受けて終わる会議では、意思決定は行われません。会議の後に「では誰かが決めておいて」という状態が続きます。
会議の目的を「報告」と「意思決定」に分けることが有効です。報告は事前に文書で共有し、会議の時間は判断が必要な事項の議論に集中させます。会議の最後に「誰が・何を・いつまでに」を確認することで、会議が行動につながります。
組織の動きが遅くなる問題は、人の問題ではなく仕組みの問題であることがほとんどです。役割・情報・会議の三つを見直すことから始めてみてください。